前回の「導入編」では、GitHub Codespacesを利用してリポジトリを作成し、クラウド開発環境を起動する手順を解説しました。今回はその続きとして、Rails環境の構築方法を詳しく解説します。
この記事を読めば、GitHub Codespaces上でRailsアプリケーションを動かすための環境が整い、開発の第一歩を踏み出せるようになります。
Rails環境構築の手順
Rubyの確認とインストール
RailsはRubyを基盤としたフレームワークです。まずは、GitHub Codespaces上でRubyが正しくインストールされているか確認しましょう。
Rubyのバージョン確認
ターミナルで以下のコマンドを実行します
ruby -v
- 正しいRubyのバージョンが表示されれば、そのまま次のステップに進みます。
- 表示されない場合や古いバージョンの場合は、以下の手順で最新バージョンをインストールしてください。
Rubyのインストール
Rbenvを使用して最新のRubyをインストールします
curl -fsSL https://github.com/rbenv/rbenv-installer/raw/main/bin/rbenv-installer | bash
echo 'export PATH="$HOME/.rbenv/bin:$PATH"' >> ~/.bashrc
echo 'eval "$(rbenv init - bash)"' >> ~/.bashrc
source ~/.bashrc
rbenv install 3.2.2
rbenv global 3.2.2
再度Rubyのバージョンを確認して、インストールが成功しているか確かめましょう。
Railsのインストール
Railsをインストールするには、以下のコマンドを実行します
gem install rails
実行後、Railsのバージョンが正しく表示されれば準備完了です。
rails -v
新しいRailsプロジェクトの作成
Railsアプリケーションを作成するには、以下の手順を進めます。
Railsプロジェクトの作成
ターミナルで以下を実行します。
rails new my_app
cd my_app
my_app
は作成するアプリケーション名です。好きな名前に変更してください。
Gemfileの依存関係をインストール
以下のコマンドで、アプリに必要なGemを一括インストールします。
bundle install
正常に完了すると、次のようなメッセージが表示されます。
Bundle complete! 21 Gemfile dependencies, 115 gems now installed.
Railsサーバーの起動と動作確認
Railsアプリケーションを起動して、動作を確認します。
Railsサーバーの起動
ターミナルで以下を実行します:
rails server
ブラウザで確認
サーバー起動後、ターミナルに表示されるURL(通常は http://localhost:3000
)をブラウザで開きます。「Rails」のロゴと初期画面が表示されれば成功です。
作業内容をGitHubに保存する(push)
Railsプロジェクトを作成し、Railsサーバーが動作確認できたら、現在の作業内容をGitHubリポジトリに保存しましょう。
リモートリポジトリの確認
- Codespacesが紐付いているリモートリポジトリ(GitHubのリポジトリ)を確認します。
git remote -v
- 正しくリポジトリが表示されない場合は、以下のコマンドで設定します。
git remote add origin https://github.com/ユーザー名/リポジトリ名.git
変更内容をステージング
- 変更した内容をステージングエリアに追加します
git add .
変更をコミット
- ステージングされた変更をローカルリポジトリにコミットします。
git commit -m "環境構築完了後のRailsプロジェクトを追加"
GitHubにプッシュ
- 変更内容をGitHubに保存します。
git push origin main
リモートリポジトリの確認
GitHubのリポジトリページにアクセスし、変更内容が反映されているか確認します。
よくあるトラブルシューティング
Gemfileが見つからないエラー(Could not locate Gemfile)
→ 正しいディレクトリ(my_app
)に移動してからコマンドを実行してください。
cd my_app
bundle install
Railsサーバーが起動しない
→ 必要なGemが正しくインストールされていない可能性があります。bundle install
を再実行してください。
GitHubへのpushが拒否される(Updates were rejected)
エラー: リモートリポジトリが設定されていない
→ 手順2の「リモートリポジトリを追加」を実行してください。
エラー: 既存の変更内容と競合
→ 以下のコマンドでリモートリポジトリの変更を取得して統合します。
git pull origin main --rebase git push origin main
環境構築編のまとめ
ここまでで、以下のステップが完了しました。
- GitHub Codespaces上でRubyとRailsをインストール。
- 新しいRailsプロジェクトを作成。
- Railsサーバーを起動して動作を確認。
これでRails開発の準備が整いました!次回は、実際に簡単な機能を追加し、Railsの基本であるMVC(Model, View, Controller)構造を理解する方法を解説します。
次回予告:
「Railsで簡単なアプリを作成してみよう!」
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