OpenAIが2024年12月に開催している「12 Days of OpenAI」は、クリスマスシーズンに合わせた特別イベントです。このイベントでは、2024年12月5日から12月20日までの平日12日間にわたり、新しい技術や機能を毎日発表しています。AI技術の進化や利便性を広くユーザーに届けることを目的としており、私たちの生活や仕事にどのように影響を与えるかを考える絶好の機会となっています。
これまでの発表内容(1日目から4日目)
1日目(12月5日):OpenAI o1とChatGPT Proプラン
OpenAI o1の正式リリース
最新モデル「o1」が正式リリースされました。このモデルは、従来のGPT-4.0に比べてコーディング、数学、執筆能力が大幅に向上し、さらにマルチモーダル対応(テキストと画像を同時に扱える機能)を実現しています。これにより、より複雑なタスクにも柔軟に対応可能になりました。
ChatGPT Proプランの導入
新たに導入されたProプラン(月額200ドル)では、「o1」の無制限利用に加えて、特別な「o1 Proモード」が提供されます。このモードは、より高度な計算を必要とするタスクや高精度な回答を求める場面で活躍します。特に専門的な利用を考えているユーザーに最適なプランです。
2日目(12月6日):RFT(強化学習型ファインチューニングプログラム)
Reinforcement Fine-Tuning (RFT)
AIモデルを独自のデータセットでカスタマイズできる新しい手法「RFT」が発表されました。従来の教師あり学習と異なり、少量のデータでもモデルが新しい推論方法を学習し、高い精度で特定分野のタスクを実行できます。
活用例
医療や法務分野での専門AIの開発に活用されています。例えば、遺伝子診断における症状と遺伝子の関係分析や、法務アシスタントとして複雑な法的ワークフローの支援が可能になります。これにより、さまざまな業界でAIの実用性がさらに広がります。
3日目(12月9日):テキストから動画を生成する「Sora」
Sora
テキストや画像を基に動画を生成する新ツール「Sora」が公開されました。このツールは、特にクリエイター向けに設計されており、ユーザーが簡単に魅力的な動画を作成できるようサポートします。
特徴
生成可能な動画の解像度は480pから1080pまで、長さは5秒から20秒まで対応しています。さらに、リミックス機能やストーリーボードを使用して動画を自由に編集し、独自のスタイルを作り出すことができます。これにより、動画制作の効率と創造性が大幅に向上します。
利用可能プラン
ChatGPT Plus(月額20ドル)およびProプランのユーザーが追加料金なしで利用可能です。
4日目(12月10日):Canvas機能の全ユーザー公開
Canvas
文書やコードの作成をリアルタイムでAIと共同編集できる「Canvas」機能が全ユーザーに公開されました。この新機能により、ChatGPTを使った作業がさらに効率的になります。
Pythonコード実行
Canvas内で直接Pythonコードを実行し、その結果を即座に確認できる機能が追加されました。これにより、コーディングの学習やデバッグが容易になります。
カスタムGPT対応
カスタムGPTにCanvas機能を統合することで、特定のニーズに応じた高度なタスク処理が可能になりました。例えば、特定の文書作成やプロジェクト管理に最適化されたカスタムGPTを作成できます。
まとめ
「12 Days of OpenAI」は、AI技術が私たちの生活や仕事にどのように影響を与えるのかを示す象徴的なイベントです。しかし、最初は処理速度の向上や入力できる文字数の増加といった、ちょっとしたアップデートの発表が続くのではないかと思っていました。実際にふたを開けてみると、o1やcanvas機能の正式リリースや全ユーザー対応、さらに3日目には目玉といえる「Sora」のリリースなど、大きな発表が続きました。最近少し物足りなさを感じていたところに驚きと期待が詰まった1日目から4日目でした。これからの発表も引き続き注目し、AIの未来を感じていきましょう。
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