前半では初心者向けに「差分(unified diff)で修正箇所だけやり取りすると速くなる」という流れを紹介しました。
ここからは、より実務に近い開発で ChatGPTを効率よく使うためのTips(小技集) をまとめます。
Tips 1: 差分(unified diff)で出力させる
全文ではなく 「修正箇所だけ」 を返すように依頼します。
依頼文に必ず「unified diff形式で出力してください」と入れるのがコツです。
--- a/app.py
+++ b/app.py
@@
- 古いコード
+ 新しいコード
この形式なら、そのままコピーしてエディタに貼る、あるいはGitで適用できます。
Tips 2: 依頼文テンプレを使う
毎回文章を考えるのは面倒なので、フォーマットを固定しておくと効率が上がります。
【目的】〇〇を修正する
【範囲】対象ファイルや関数を1つに限定
【制約】他は触らない/出力は100行以内
【出力】unified diff 形式
【テスト】期待する動作(例:2+3で5になる)
ポイントは 「目的・範囲・制約・出力・テスト」 の5要素を明示すること。
ChatGPTが余計なコードを出すのを防げます。
Tips 3: 1機能=1スレッドで管理
- 長いやり取りを1スレッドに詰め込みすぎると重くなる
- 「入力フォーム追加」「保存機能修正」など 機能ごとにスレッドを分ける と軽快に回せます
さらに最初の投稿に 「要約パック」 を貼っておくと便利です。
例:
# プロジェクト要約
- Python 3.13 / Tkinter / SQLite
- app.py … GUIメイン
- db.py … DBアクセス
# 今回の範囲
app.py の on_save 関数のみ
Tips 4: 出力量を制限する
ChatGPTに長文を書かせすぎると時間がかかります。
依頼に「100行以内で」「説明は最後に3行」と書いておくと安定します。
Tips 5: 小さなサイクルで回す
- 1回の依頼は「5〜15分で完結するタスク」に区切る
- 大きな改修は「ファイル単位」ではなく「関数単位」へ分割
👉 これにより「80%完成でも外に出して評価する」サイクルが作れます。
Tips 6: Gitで適用して即テスト
ChatGPTから返ってきた差分は、そのままGitに適用できます。
適用
git apply patch.diff
失敗したら
git apply --reject patch.diff
→ .rej
ファイルだけ手動で直せばOK
元に戻す
git checkout -- app.py
Tips 7: コメントを工夫する
- 関数の冒頭に 役割コメント を1行書いておく
# UI: 入力フォーム構築(依存: self.entry, self.label)
- 長関数には BEGIN/ENDコメント を入れる
# === 入力チェック処理 (BEGIN) ... # === 入力チェック処理 (END)
👉 ChatGPTがコードの境界を理解しやすくなり、差分もピンポイントで返りやすいです。
まとめ(後半)
- 差分(unified diff)で出力 → 軽くて速い
- 依頼文はテンプレ化 → 安定したやり取りができる
- 1機能=1スレッド・小サイクル運用 → 重くならない
- 出力量を制限する → 固まらない
- Gitで即適用 → 修正ループを最速化
ChatGPTは「大きなコードに弱い」と思われがちですが、運用の工夫次第で強力な相棒になります。
ぜひ今回紹介したTipsを取り入れて、効率的にプログラム開発を進めてください。
👉 「unified diffって何?」から体験したい方は、初心者向け記事 を先に読むのがおすすめです
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